食物繊維は、便秘解消の切り札、お通じは健康のバロメーター

ミルク煮3

お通じは健康のバロメーター

便秘は多かれ少なかれ、だれにも経験があるのではないでしょうか。
おなかが張って気持ちが悪く、排便の際の苦しさは相当なものですし、
肌荒れやニキビなどの原因にもなる美容の大敵。
そのうえ、大腸ガンなどの成人病と重要な関係があることがわかって
きたのですから、まさに百害あって一利なしです。後に出てくる
便秘解消レシピで食物繊維をたっぷりとって便秘解消しましょう。
 ですから、お通じこそ大切な健康のバロメーターなのです。
ところが困ったことに、現代人に便秘は増えており、立派な文明病
だとさえ言われています。



大腸の健康は、三度三度の食事から!




ところで、一口に便秘と言っても、いろいろな種類があります。
ストレスやイライラ等の精神的影響で起こる痙攣性便秘、
トイレに行きたいのを何度も我慢しているうちに便意がおきなく
なった直腸性便秘(習慣精便秘)そしてガンなど特別な病気による
便秘などもあります。しかしなんと言っても多いのは、食生活が
原因で起こる「し緩性便秘」と言われるもので、いわゆる便秘症
の多くはこのタイプです。



この便秘はもともと、大腸の働きが低下することのよって、腸内
の内容物が直腸に達するまでの時間、つまり腸内を通過する時間
が長くかかることによって起こるものです。



では、便の腸内の通過時間が長くなると、どうして便秘になるの
でしょうか。



私たちが食べた食物は、口から入ると胃の中で胃液と混ぜ合
わされ、さらに十二指腸で胆汁とすい液が混ぜ合わされ小腸に
送られます。小腸は栄養の吸収センターともいうべき場所で、
小腸壁からほとんどの栄養分が吸収されます。
あとに残ったものが便の材料となりますが、小腸の段階では
ドロドロした状態で、大腸に送られて水分が吸収、便の形になる
のです。しかし、大腸を通過する時間が長くかかるほど、
この間に水分がどんどん吸収され便はかたくなってしまいます。
硬くなれば当然出にくくなるというわけです。





食物繊維は便秘解消の切り札



このタイプの便秘を解消するには、食生活を改善することが
ポイントになります。そこでクローズアップされるのが食物繊維
です。便秘症の人は、食物繊維を多く含んだ食事を十分とる
ことが大切です。古代ギリシャの医聖ヒポクラテスの時代から
小麦フスマが便秘を予防することが知られていたように、
食物繊維の効用の中で最も早くから注目されていたのが便秘予防、
便秘治療に対するものなのです。



ではなぜ、食物繊維の多い食事をとることが便秘の解消につな
がるのでしょうか。食物繊維が大腸の中でどんな働をし、
どんなメカニズムで便秘が解消されるのかを一緒に勉強
しましょう。



食物繊維というのは、人の消化酵素で消化されない、食品中に
含まれる成分で、簡単に言えば便の材料になるものです。
胃や小腸の消化酵素ではなんの影響も受けず、そのまま大腸
に送られます。
食物繊維は、大腸に入るとがぜん実力を発揮し始めます。




食物繊維を多くとるということは、便の材料がふえるわけです
から、便の容量は当然ふえ、腸壁へ刺激を与えます。
また、食物繊維は水分を吸収して「膨潤」(ふくらむ)するの
で便はやわらかくなり量も増えて、腸壁への刺激が大きくなり
ます。すると、この刺激によって、腸せん動運動(腸の内容
物を肛門のほうへ押し出すリズミカルな運動)つまり、便が
腸内を通過する速度が速くなります。速度が速くなれば、大腸
で吸収される水分が少なくなり、やわらかい便がスムーズに
体外に排泄される、というわけです。



しかし、食事からとったすべての食物繊維がそのまま便として
排泄されるかというと、そうとも限りません。食物繊維の
種類によっては大腸内に住んでいる細菌の発酵作用を受けて
、分解してしまうもあることが最近の研究によってわかってき
ました。そういう食物繊維は、便の中には残りませんが、
菌体をふやし、便のカサをふやすような間接的な働きをします
このように、分解された食物繊維もまた、便秘の改善に役立
っています。



さらに、分解された食物繊維は、ビフィズス菌など腸内細菌の
中の善玉菌をふやす働きをし、これにより腸内環境が改善さ
れるのです。それに加えて、食物繊維が分解されると、乳酸や
プロピオン酸、酪酸などのいろいろな酸ができます。この酸に、
大腸の腸壁を刺激する下剤作用があり、便通をよくする働き
があるのです。つまり、分解されない食物繊維はストレートに
便のカサをふやす働きをしますが、分解される食物繊維は
間接的に便の量をふやしたり、排便をよくしたりするわけです。



腸内菌は体にとってよい働きだけをするわけではありません。
人工的に作られた無菌ネズミは、普通のネズミよりもほぼ
1.5倍長生きすることがかずかずの実験で証明されています。
つまり、腸内菌(有害菌)によってなんらかの有害物質が生み
出されて体内に吸収され、宿主の健康を害する一因になったり
老化を早めていると考えられるのです。



まず、発ガン性物質や発ガンを促すと考えられる物質があり
ます。ガン以外の体に対する害となる物質に、タンパク質が
関係していると言われています。



摂取されたタンパク質は、胃や腸で消化されアミノ酸として
体内に吸収されます。ところが、ある種の腸内菌は吸収され
なかったタンパク質やアミノ酸から、アミン、アンモニア、
硫化水素、フェノール、インドールといった腐敗産物や
細菌毒素、発ガン性物質などを作るのです。



その一部は体に吸収され、すぐさま人間に影響を与えなく
とも、長い間には肝臓、心臓、腎臓、脳などに負担を与え、
やがて障害をおこさせることになります。高タンパクに
偏った食生活が見直されるようになったのも、こういっ
た理由からです。



腐敗産物であるアンモニアは、本来は肝臓で分解(解毒)
されて尿素になります。その一部は腸内に排出され、
腸内菌によって再びアンモニアと炭酸ガスに分解されます。
ところが、肝機能が低下するとアンモニアは解毒されず、
アンモニアの血中濃度が高くなって脳障害を起こす一因に
なります(この障害を肝性昏睡」という)。また、
同じく腐敗産物のアミンにはさまざまな仲間があって、
しかも微量でも人体に有害な働きをするものが多いの
です。たとえばカグベリンやプトレスナンという
アミンは、アンモニアと同じように肝性昏睡の原因に
なります。



また、アミンの仲間であるヒスタミンには、血管を拡張
させて血圧を下げたり、炎症を起こさせる作用もあり、
同様にアミンの仲間であるチラミンには反対に血圧を
上げてしまう作用があります。





食物繊維のすごいところは・・・



食物繊維は、これら腸内で生み出される有害物質の
害をとり除く働きをします。その働きは大きく
次の3つに分けられます。



@消化物の腸内での通過時間を短くする食物繊維は
便の量をふやし便秘を防ぎます。また、腸内菌が繊維
を分解することで生じた揮発性脂肪酸が腸の粘膜
を刺激、便意を催させます。



A有害物質を薄める(希釈する) 繊維には水分
をため込む性質があり、これによって腸内の内
容物の体積がふえて有害物質を薄めます。



B有害物質を吸着して体外に排出する。
  食物繊維は有害物質をとり込み、体内に吸収
されるのを防ぎ、便といっしょに体外に排泄
してくれます。これは腸内菌によって作られた
有害物質はもちろんのこと、外部から体内に
入り込んできた毒性のある物質についても
同じです。



たとえば、亜鉛やヒ素を飲ませたネズミに食物繊維
を加えた飼料を与えると、これらの毒素が薄め
られたという報告があります。



また、有害だと考えられている食紅にアマランス
(赤色2号)というものがあります。これは日本
では使用が許可されていますが、ラットに大量摂取
させるとタンパク質の吸収を妨げ、成長障害を
起こすことが知られています。ところが、その
ラットに同時にゴボウの食物繊維(ヘミセルロース)
を与えると、ほとんどアマランスの毒性があらわれ
ないことが実験でわかりました。



さらに、魚や肉が焦げたときにできる発ガン性物質
として知られるトリプP1、トリプP2などの
毒性も、ゴボウ、大根、タケノコ、玉ネギなどの
野菜から分離した繊維によって、吸着あるいは結
合されて排出されることも明らかにされています。



食物繊維と一口にいっても、その役割はさまざまで、
現在のところ、どの毒物にどの種類の繊維が効果
があるかは、まだ研究段階です。私たちは農薬、
防腐剤、着色剤、食品添加物など、さまざまな
有害物質にとり囲まれて暮らしています。



こうした物質が体内に入るのをまったく阻止する
のは現実問題としてなかなかむずかしいものが
あります。そうであるなら、食物繊維の作用を
うまく生かすことが一つの防衛策ともなるで
しょう。



多種類の食物繊維をまんべんなくとって、できる
だけ早く有害物質を体外に排除するように心が
けようではありませんか。



では、便秘によく効く食物繊維にはどんなものが
あり、どんな食品に多く含まれているのでしょ
うか。食物繊維の種類としては、セルロース、
ヘミセルロース、リグニンなど植物の細胞壁
を構成する水に溶けない仲間があげられます。



特にヘミセルロースは効果が高いと考えられ
ます。これらは吸水性があり、消化されにく
いので、直接便の量をふやし、腸内を通り
抜ける時間を短くんます。



セルロースやヘミセルロースを多く含む食品
は、穀類と豆類などです。これらは、できる
だけ精製しない形、つまり玄米、麦飯、
オートミール、トウモロコシの全粒などの
形でとったほうがよいのは言うまでも
ありません。



また、アップルファイバー(りんごの果汁を
しぼりとったあとのカス)にも便の量を増やす
と同時に、便をやわらかくする効果があること
がわかっています。



この他、寒天やカラギーナンなど海藻類の 食物繊維にも便の量をふやす効果があります。



食物繊維を多くとるためには、先ほど紹介した
食物繊維入りのビスケットなどを食生活に
補助的にとり入れるのもこつの方法です。
ただし、こうした食品だけに頼るのではなく、
あくまでも日常の食生活からさまざまな種類の
食物繊維をしっかりとったうえで、補助食品
として役立てるとよいでしょう。





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